回路の高温対策やバッテリ駆動時間の改善へ
ローム株式会社は、低耐圧DC/DCコンバータ向けパワーMOSFETを開発したことを発表した。
耐圧30Vで16製品がラインアップされている、今回のシリーズでは、微細化のほか、同社独自の低容量構造と新構造となる“トレンチ型フィールドプレート構造”の採用により、低ゲート容量と低オン抵抗の両立が実現されており、また、「FOM(DC/DCコンバータ向けパワーMOSFETの性能指数)」を、従来の製品に比べて50%低減し、業界トップクラスの高効率性を実現した。
さらなる小型化でモバイル端末に好影響も
今回の開発により、回路全体の効率向上が、高い周波数での同期整流動作を可能とし、周辺部品のさらなる小型化への期待がいっそう高まることになる。
今後、同製品の生産拠点は、京都本社とタイで行程ごとに分けられ、2012年4月からサンプル出荷(サンプル価格30円~50円/個)を開始し、5月から月産100万個の体制で量産のスケジュールとなっている。
今回の開発の主眼は、これまで困難とされてきた、電源の電力変換効率向上に直結する、低損失で高効率の「パワーMOSFET」を実現するために、オン抵抗及びゲート容量の低減の両立したことにある。海外企業の攻勢に押されがちな国内半導体メーカーの技術力が、スマホやタブレットの進展に寄与することを願いたいものだ。

ローム株式会社 プレスリリース
http://www.rohm.co.jp/news/120604.html