「燃料電池」の可能性を拓く
ローム株式会社(以下、ローム)、アクアフェアリー株式会社(以下、アクアフェアリー)、京都大学は、2012年9月18日、スマートフォンなどの携帯端末用電源として使用できる「水素燃料電池」を共同開発したことを発表した。
今回、開発された「水素燃料電池」は、水素化カルシウムをシート状に固形化することに成功したことで、38ミリ四方で厚さ2ミリのシートと水から、約4.5リットルの水素を発生させ、5ワット時の電力を発生させることが可能になるというもの。
この“水素化カルシウムをシート状に固形化する”技術は、ロームが保有する電源回路技術やアプリケーション開発技術と、水素燃料電池の開発技術を組み合わせることにより実現したもので、2010年秋に京都大学で開催された産官学連携の為の「京都大学アドバンスドエレクトロニクスシンポジウム(AES)」をきっかけとして、両社で情報交換を開始され、今回の開発に至ったとのこと。
電池の軽さで端末の携帯性も向上?
この「水素燃料電池」は、乾電池やリチウムイオン電池など、従来の「電池」が持つ“重さ”という弱点を克服することができ、スマートフォンや、タブレットなどのバッテリーや、アウトドアや僻地(へきち)といったロケーションでの動力源、災害用バックアップ電源としても使用でき、電池の利便性を大幅に向上させられると期待されている。
また、環境面においても、水とカルシウム系燃料という安全な物質を使用しているため、二酸化炭素や有害ガスなどを排出せず、廃棄時も一般廃棄物として廃棄ができ、環境に対する親和性も高いとみられる。
今後、ローム、アクアフェアリー、京都大学は、2013年の製品化を目指しており、10月の「CEATECJAPAN(千葉)」と、11月の「Electronica(ミュンヘン)」などの展示会において、展示を行う予定となっている。

ローム株式会社 プレスリリース
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