『おとな』だけではなく『こども』へも訴えかける
東京都江東区にある東京都現代美術館では、2015年7月18日から10月12日までのスケジュールで、企画展示室の1階にて『おとなもこどもも考える ここはだれの場所?』の展覧会を開催する。
美術館はそもそも、想像の助けがあればどんな場所にもなることができる、というのが今回のテーマであり、4組の作家が美術館の展示室のなかに「ここではない」場所への入口を作る。
休館日は毎週月曜日だが、2015年7月20日、9月21日、10月12日は開館している。開館時間は10:00から18:00まで(入場は閉館の30分前まで)で、2015年の7月から9月までの金曜日のみ21:00開館している。
展示構成
構成は次のようになっている。
・地球はだれのもの?
2014年に急逝した、デザイナーのヨーガン・レールの移住した石垣島の海岸は、この数年でどこからか流れ着くゴミによって荒らされてしまったため、そのゴミを材料として美しいものを作り地球環境に対して人々の意識に訴えかける未来を憂いたラスト・メッセージである。
・美術館はだれのもの?
造形作家、批評家として知られる岡崎乾二郎は「こどもにしか入ることのできない美術館」を企画した。美術名品を、自分の思いを話しかけてくる謎の監視員とともに堪能できる(入室はこどものみ可能)。
・社会はだれのもの?
アーティストの父母である岡田裕子および、会田誠と、その息子である中学二年生の会田寅次郎からなる会田家。寅次郎はプログラミングが得意なため、学校外で大人たちと一緒にビッグデータを相手にプログラミングをしている。三人はそれぞれ学校や社会といった外に対するストレスや批評精神をもとに、「それとはちがう場所」をユーモラスに作り上げている。
・私の場所はだれのもの?
フィリピン出身でオーストラリアに住むアルフレドとイザベル・アキリザンは世界各国のコミュニティと交流し、その過程を作品としているが、それは私たちが当たり前のように自分のまわりに引いてきた境界線について考えさせている。美術館地元の小学生たちとのワークショップによって作られる風景は、日常の風景のようだが異国のようなイメージであり「私の場所」について改めて考えさせている。

東京都現代美術館
http://www.mot-art-museum.jp/