ソニー社が東北工場にて生産を行っていた高品質ビデオテープが枯渇している。既に米ハリウッド業界では同製品の買占めによって在庫が無い状況が続いているが、国内でもその影響は深刻なようだ。
枯渇状態が続いているのは、テレビ業界で圧倒的シェアを持つソニーケミカル&インフォメーションデバイスの多賀城事業所(宮城県多賀城市)生産、「HDCAM」規格のデジタルテープ。「業界でソニー製以外を見るのはまれで、シェアは7割」と関係者は語る。津波の被害により、現時点において復旧のめどは立っていない。
春の新番組を控えてテープ需要が高く、また期末で業者が在庫整理を行っており、既に震災前から在庫が品薄状態にあった同製品。「現在、ソニー製のHDCAMがまったく手に入らない」と映像製作関係者は語る。代用品も模索しているというが、上記製品に代替する高品質デジタルテープがないという現状。一方で「他業者のチャンスでもある。ソニーに代わる製品を今、我々は求めている」とも語られている。