リチウムイオン電池の新素材が開発成功
栗田工業株式会社はこのたびリチウムイオン電池の安全性を向上させる新素材の開発に成功したため、同電池向けの高機能部材として『イプシガードKC』を商品化した。
リチウムイオン電池とは、二次電池とよばれる充電が可能な電池のことである。
今回イプシガードKCの優れた機能が評価され、海外の大手電池メーカーより受注生産を獲得できた電気自動車や蓄電デバイスの普及拡大に伴って、高出力・高容量化が進められてきたリチウムイオン電池は、安全性の向上も同時に求められてきていた。
栗田工業が20年にわたって活用してきた包接技術を応用
今回開発された『イプシガードKC』は、栗田工業が20年にわたり水処理薬品をはじめとする様々な分野で活用してきた包接技術を応用してリチウムイオン電池に向けてはじめて商品化したもので、電池の安全性を高める新素材である。
特に炭酸ガスの吸収に優れた性能を有しており、充放電に伴い電解液から発生した炭酸ガスを瞬時に包装して吸収するため、ガス発生による電池内圧の上昇を防止する。くわえてイプシガードKCにはあらかじめ一定の水分を包接して吸収させているため、電池内の温度上昇も抑えることができる。
このようなことで電池の発熱や膨れ・破裂、電解液による発火リスクの低減を実現するとともに電池性能低下の抑制も有効となっている。くわえて初期充電に伴い発生する炭酸ガスを出荷前に引き抜く行程が必要だったが、イプシロンガードKCの適用によりこれが不要となったため、製造時間の短縮とコストダウンも図れる。

栗田工業株式会社 プレスリリース
http://www.kurita.co.jp/aboutus/press140904.html