環境浄化への応用期待
昭和電工株式会社(市川秀夫社長)は、連結子会社の昭和タイタニウム株式会社(富山県富山市、海老沼彰社長)が、紫外光応答型の光触媒材料として最高レベルの活性を持つ酸化チタンの開発に成功したと発表した。
光触媒は、光エネルギーにより特定の化学反応を加速する物質。窓ガラスの曇り止め、外壁防汚のコート剤など、自然エネルギーを利用した環境浄化への応用が期待されている。2013年内の量産化をめざし、量産試験を行っているという。
開発に成功した十面体酸化チタンの電子顕微鏡写真微細で欠陥が少ない
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトで開発した。既に実用化されている酸化チタンは、紫外光により強い酸化還元反応と超親水性を示す。強い酸化還元反応を示し、有機物の汚れの分解や、超親水性により水が膜状に広がる特性がある。
酸化チタンは、粒子が微細であるほど触媒活性が向上するが、微細なものは結晶に欠陥が生じやすく、光の利用効率低下や、触媒活性が下がるという欠点があった。昭和タイタニウムは、セラミックコンデンサー向けの超微粒子酸化チタンの製造技術を応用し、微細で欠陥が少ない「十面体酸化チタン」を開発したとしている。
昭和電工は10月25日、東京品川のコクヨホールで開催されるNEDO「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」成果報告会で展示する予定。

昭和電工プレスリリース
http://www.sdk.co.jp/news/12736/13060.html