セキュリティ問題解消が柱
米アップルが、iPadやiPhone、iPod touch用に9月にリリースした「iOS6」のアップデート版「iOS 6.0.1」の提供を開始した。セキュリティ上の脆弱性改善などが今回のアップデートの柱だが、問題の地図アプリについては、根本的な問題解決には至っていないようだ。
9月19日(米国時間)のiOS6のリリースから約1ヶ月半。細部を改良した最新バージョンは、ウェブサイトを閲覧する時に使われるレンダリングエンジン「WebKit」の、重大なセキュリティ上の脆弱性2点を修正した。
Appleのサポートページによると
・ソフトウェア・アップデートをワイヤレスで iPhone 5 にインストールできない問題を解決します
・キーボード上に横線が表示される問題を解決します
・カメラフラッシュが消えなくなる問題を解決します
・暗号化された WPA2 Wi-Fi ネットワークに接続しているときの、iPhone 5 および iPod touch(第 5 世代)の信頼性が向上します
・iPhone でモバイルデータ通信ネットワークを使用できなくなる問題を解決します
・iTunes Match 用に“モバイルデータ通信”スイッチを統合しました
・パスコードロックを設定しているのに、ロック画面から Passbook パスの詳細にアクセスできてしまう問題を解決します
・Exchange 会議に影響する問題を解決します
となっている。
iPhone5機能に知られざる問題
この最初の項目について、iPhone5には、ソフトウエア・アップデートをワイヤレス (OTA: over-the-air)でインストールできない問題があることが、「iOS 6.0.1」の提供と同時に分かった。
今回が初めてのソフトウエア・アップデートとあって事前に気づく人はまずいなかっただろう。解消方法はOTAのパッチプログラムを実行することで解消するが、iPhone5ユーザーは、通常とは違い、ひと手間かける必要がある。
小さな変化も根本解決にあらず
ところで、非難ごうごう、というよりは苦笑いの地図アプリ機能については、大きな改善はなかったようだ。地図アプリの画面をぺろりとめくってみると、申し訳程度の小さく薄く書かれた「問題を報告」の文字。そこから先に進むと、「道路名/ラベルが正しくありません」など、以前とはちょっと違った表示もみえる。
時期社長と目されたスコット・フォーストール上級副社長の退社にまで発展したこの問題だが、根本的な解決にはまだ時間がかかるということか。あるいは、ハンパな手直しではフォーストール上級副社長の二の舞になりかねないということか。
こうした問題は地図データに起因するため、Appleはソフトウェア・アップデートを介さず、リモートで調整できるとの情報もあり、知らないうちに直っていた、ということもあり得る。

Apple
http://support.apple.com/kb/DL1606?viewlocale=ja_JP