最新の販売動向を解説
パソコンの定番、デスクトップ型を早くもタブレット端末が抜いた! 全国の量販店の実売データを集計しオンラインで提供している「BCN」は、販売店の実売データ「BCNランキング」をもとに、デジタル家電についての、最新の販売動向に関する記者会見を開き、タブレットの好調ぶりを解説した。
冒頭、道越一郎アナリストは「Windows8の出足が鈍い。OSが新しくなったタイミングでパソコンを買い替える時代ではなくなった」と解説。パソコン市場が厳しい状況にあることを強調した。その上で、唯一好調なのがタブレット端末だとした。
パソコン市場全体は低迷続く
パソコン(デスクトップ・ノート・タブレット)の対前年比出荷台数は、9月が102.0%、10月が101.8%と前年実績をわずかに上回った。ただ、金額ベースでは9月95.1%、10月は89.7%と落ち込み、Windows8搭載機投入にもかかわらず、下げ止まらなかった。
パソコン全体の販売台数に占める構成比は9月、デスクトップが15.3%、タブレットが14.9%とわずかにデスクトップが勝ったが、10月にはデスクトップ14.7%、タブレット19.5%と逆転した。
タブレットは、第3世代iPad発売の影響で、今年3月の販売台数は前年同月比654.7%という驚異的な伸び。その後も150%前後で好調に推移してきた。その伸び率は安定しており、10月も154.0%だった。
メーカー構成比には変化
一方、メーカー別の構成比には変化が見られる。これまでiPadを擁するアップルが飛び抜けていたタブレット端末市場だが、10月、ASUSTeK Computerが投入したAndroid搭載の7インチタブレット端末「Nexus7」が急伸、アップルの40.2%に迫る37.1%のシェアを占めた。
Nexus7の需要動向が落ち着きを見せるまで、状況推移を見極める必要はあるが、年末には、Amazonの「Kindle Fire」やWindows8搭載タブレットなどが続々登場の予定。今後は各メーカーが入り乱れた混戦模様が予想される。
画面サイズ別では、iPadを含む8~10インチ未満が主流だったが、iPad mini、Nexus7の登場で8インチ未満が10月、52.0%までシェアを伸ばしており、これまで家庭や職場など決まった場所が多かった活用方法についても、戸外での新しいスタイルが確立される可能性がある。
「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース。日本の店頭市場の約4割をカバーしている。

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