NTTドコモ(以下、ドコモ)は、米国のネクストウェーブ・ワイヤレス社(以下、ネクストウェーブ社)と、ネクストウェーブ社が保有する米国パケットビデオ・コーポレーション社(以下、パケットビデオ社)の発行済株式の65%を11,160万米ドル(約98.7億円)で取得することに合意したことを発表した。
同社は、すでに2009年7月にネクストウェーブ社よりパケットビデオ社の発行済株式の35%を取得しているが、今回の株式取得によりパケットビデオ社はドコモの100%子会社となる予定。株式取得には米国規制当局やネクストウェーブ社の株主による承認が必要で、2010年度第2四半期中に取引が完了する予定。
パケットビデオ社は、携帯電話向けの音楽・動画コンテンツ再生ソフトおよびコンテンツサービスプラットフォームにおけるリーディングカンパニーのひとつで、同社の技術は北米や欧州、アジア地域の携帯電話事業者や携帯電話メーカーに幅広く採用されている。また、テレビ、デジタルフォトフレーム、音響機器などの家電とパソコン、携帯電話との間で音楽・映像コンテンツを共有する家電連携サービスにおいても最先端のソリューションを独自開発し提供している。
市場拡大のためというよりも、IT業界では技術獲得のための買収が活発化しており、その傾向は、『Oracle』や『IBM』、『Google』などの巨大企業において顕著となっている。先進技術と既存基盤の融合は、うまくいく場合ばかりでもないのだが、買収側のさじ加減により、そのリスクはまろやかなものになるのではないだろうか。
NTTドコモリリース